セキュリティソフトにvpn、パスワードはランダム生成とセキュリティに関してはそこそこの自信があったのですが、まさか自分から罠に突っ込んでいくとは…愚かすぎる。
恥ずか死したい案件なのですが、これ以上犠牲者を出さぬよう一部始終をここに書き留めようと思います。
行動の前の一呼吸。大事です。
序章「到来」
”Amazonサービス規約違反のため……”
突如スマホ上部に現れたSMSの通知が寝起きの眼に飛び込んでくる。
「サービス規約違反?…」
ベッドから飛び起き急いでSMSのメッセージを確認する。
“Amazonサービス規約違反のため、ログインが制限されています。ご確認ください。http://ブラブラブラ”
灰色の脳細胞をフル回転させて過去の自分の行いを見返す。
規約違反をするようなことはしていないはず… 少なくともAmazonに関しては清廉潔白のハズだ。
しかし悲しいかな。どんなに自分が潔白だと信じていても一度疑いを向けられると自信がなくなってしまうのが私のような弱い人間だ。
きっと、お巡りさんに「お前がやった」と言われ続ければ冤罪を受けて入れてしまうタイプなのだろう。
そうして、深く考えぬままリンクをクリックしてしまったのであった……
第一章「漏洩」
「一秒でも早く疑いを晴らしたい。」
もうこうなったら詐欺師の思うつぼなのだろう。
なんの疑問も持たずにログイン画面にIDとパスワードを入力する。
カード決済の情報を確認したいと言われればすぐに入力だ。
なんせ私にはパスワード管理ソフトがある。
そう、絶対にパスワードを間違えることはないのだ。そこが詐欺師の懐であろうとも。絶対に。
第二章「気づき」
こうしてあらゆる情報を入力していく愚かな私。
しかし、ここになってなんだか最初のURLが気になりだす。
「URLにamazonってワード入ってなかったような気が…」
そう思いながら次へのボタンをタップする。
次はvisa認証サービスか。
「ん? amazonでvisa認証サービスなんか使ったことあったっけ?」
迷いが確信に変わる。
急いで最初のSMSの画面を見つめ直す。
“https://ez**********”
なんじゃぁ!このURLは!!!!!
差し出し人は???
中 国 香 港
クソゥ やられた…
第三章「防衛」
アバババッババッババババ
血の気が引くのと同時に脇汗が溢れてくる。
ヤバイ こういうときなにをすればいいんだっけ!?!?
考えるより先にキーボードを打つ指が動く。
流石、毎日10時間パソコンの前に座ってるだけはあるんだゼ
「北國銀行 デビットカード 停止」と…
なんと北國銀行visaデビットは会員サイトから利用停止できるらしい。
ナイスすぎる。
速攻で利用停止。
ひとまずなんとかなったもののまだ不安だ。
北國銀行のvisaデビットカード向けお問い合わせに電話して改めてデビットカードとキャッシュカードの利用を停止してもらった。
SMSの通知が来てからここまで僅か20分の出来事である。
第四章「お前なに買ってんねん」
同日の約5時間後。
2通のメールが届く。
“Visaデビットカードご利用不可のご案内”
来たなァ?ニヤリ
デビットカードは(少なくとも私の設定では)、買い物をするたびに銀行からいくら引き落とされたかのメールが送られてくる。
私がクレジットカードを使わない理由の一つがこれで、すぐ金額が表示されるので気づかずお金を使いすぎてしまったなんてことはないし、仮に不正利用されてもすぐに気づくことができる。まさに今回のように。
このメールが全く知らない買い物の引き落としであれば慌てふためいていることだが、すでに利用停止を済ませている私には、詐欺師が何を買っているか楽しむ余裕すらあった。
「さてさて何をお買い上げですか?お客様」
- 金額 : 48,400円 店名 : ABC MART NET
- 金額 : 12,100円 店名 : ABC MAET NET
ABCマートで4万8千円??どんな靴だいそりゃあ
ふ、ふぅ~ん なかなかセンスいいじゃん?
かっこいいの認めよう。認めるから自分の金で買え。
終章「再発行」
利用停止したままだと、詐欺師さんはもちろん自分も使えないので銀行にいってカードの再発行をしてもらいました。
「恥ずかしながらフィッシング詐欺にあってしまいまして…」
ものの10分で新しいカードに。
ネット通帳なんかのメールアドレスはそのままで良いらしく、定期支払にデビットカードを使っていない(使えない)ため、特に面倒事もなく移行ができた。暗証番号だけは新しくしたので忘れないようにしなければ。
このカードはなんとか有効期限まで使いたい、と思うノマ扉であった。
おしまい。
まとめ「SMSには気をつけよう」
まさかこんな単純な手に引っかかるとは… 一生の不覚。
Amazonを使っている人は多いですし、SMSなんて電話番号に片っ端から送りつければいいだけなので、引っかかってしまう人は結構多いのではないでしょうか?実際、フィッシング詐欺の件数が例年の4倍なんてニュースも流れていましたし。今流行りなのかもしれません。
詐欺師さんが購入した商品も(面白かったですが)少々気になります。私が詐欺師ならもっと換金が簡単なものにするのですが、ただただ自分が欲しいから選んだ。という感じの商品でプロ集団の犯行ではないのかもしれません。
そのアマチュアに引っかかったのは誰ですか?(泣)
私は幸い使われる前に利用停止できたので被害はなかったのですが、インターネットに慣れていない方や高齢者の方などは使われるまで、気づかないかもしれません。
キャッシュレスに関してこれまでは全面肯定の人間であったのですが、支払いが簡単にできるというメリットがそのまま詐欺のリスクに比例することを自身の身で感じてみると、急速に推し進めるにはまだまだ安全性が足りないのかなと感じましたね。PayPayなんて難しいことしなくても店員がちょろっと数字だまくらかせばいいだけですし…
かといって現金に戻るのも憚られるし… 自己防衛ぇ…ですかねぇ…