(前略) Parsecという完璧なソフトで快適なリモートデスクトップが実現できました。
そんなPrasecにもコントロールできないものが一つあります。
パソコンの起動
外出先からのパソコン起動。調べればいくらでも情報があってすぐにできそうなものですがこれがなかなかに鬼門なのです。
目次
Wake On Lan
最もメジャーで古典的な方法ですが、はっきり言って初心者には無理ゲーです。
BIOS設定、IPアドレス固定、マジックパケットetc.
次々に現れる謎の設定をクリアして運良くWOLが出来たとしてもルーター超え、つまり家の外からPCを起動しようとすればさらに鬼の様な専門用語とトラブルが待ち受けています。
なんとか乗り越えようとネットの海に乗り出すと、同じようにうまくいかずに代替案を模索する同志諸君達の姿が。
彼らの努力を無駄にせんと奮闘を続けるも、辿り着いた先には「さーばーをたてる🙃」という奇怪な文章が。
目にすると同時に、私は右手に握りしめた白旗を高らかに掲げたのであった。
Intel AMT
Intel vProプロセッサ対応である必要がありますが、WOLより確実で簡単なそうなので可能な方は試してみる価値ありです。
Switch Bot
物理的にPCの電源押せばいいじゃない!というこの方法。
ネットワーク的な難しい部分は全部Switch Botがクリアしてくれるので良さそうです。が、
- バッテリー切れが心配
- 指ロボットがボタンの位置からズレたら…?
- 高い(指ロボットとステーションで8000円)
と微妙な部分もたくさんあります。何よりPCを起動するためだけに8000円はキビすぃ…
それでもネットワーク部分をSwitch BotのようなIoT機器に託してしまうというのは使えそうなアイデアです。
【本編】スマートプラグ × リレースイッチ
他に使えそうなスマートホーム機器はないかなぁと調べてみると、スマートプラグなるものを発見。Alexaやスマホからコンセントの電源をオン・オフするだけのものですが、これをなんとかPC電源に繋げられれば、遠隔起動ができそうです!
仕組み
スマートプラグから電源を送ると、リレースイッチがオンになります。リレースイッチはマザボの電源コネクタにつながっていて、すでにリレースイッチ自体が電源スイッチになっているのでPCが起動する。
シンプル 伊豆 ベスト。
実際の回路
上のままだとスマートプラグがオンの間、PC電源のスイッチも押しっぱになってしまいます。
なので、スイッチを入れてすぐスイッチを切るためにArduinoを追加しています。(ワンショット回路が作れる人はそれを使っても良いと思います。)
ではでは早速作っていきましょう。
必要なもの
- スマートプラグ_2000円
- 好きなメーカのものでOKです。日本のコンセントに刺さらないものがあるので注意。
- USB充電器(AC→5V電源)
- スマートプラグからArduinoに5V電源を送るために使います。最近の急速充電器は電圧が高すぎるので確認を。
- リレースイッチ_77円
- GB-RLY-1C5V-CC2Aを使用。マルツで購入できます。
- PC電源スイッチ_254円
- リセットスイッチキット【PA-045A】を使用。こちらもマルツで購入しました。
- Arduino
- そのへんに転がってるのを使ってください。nanoでも互換品でも問題ないです。
1. 電源スイッチから線をバイパス
電源コネクタをぶっちぎっても良いんですが、せっかくなのでスイッチも使えるように線の途中にリレースイッチに繋ぐための線をはんだ付けします。
2. 配線
はおぱーシンプル。
リレースイッチに繋ぐ線を間違えるとデフォルトがオンになってしまうので注意。LEDなんかで動作確認するのをおすすめします。
3. プログラム
Arduino IDEでプログラムを書き込みます。
0.5秒スイッチをオンにしてるだけ!
#define SWITCH 8 // リレースイッチにつながったピン指定
void setup() {
pinMode(SWITCH, OUTPUT);
digitalWrite(SWITCH, HIGH);
delay(500);
digitalWrite(SWITCH, LOW);
}
void loop() {
}
4. 接続
あとは先程の実際の回路と同じように接続していくだけです。
マザボの電源コネクタの位置には注意してください。
5. Alexa定型アクション
ここからはお好みです。
スマートプラグのメーカーがTP-LinkだったのでKasaアプリで初期設定を済まして、Alexaの定型アクションで声で操作できるようにしました。
6. 完成!
余談「スマートプラグとPCを直接繋いだら?」
BIOSには、電気が流れたらPCを起動するという設定があります。
つまり、直接PCの電源をスマートプラグに繋いでも、同じ様なことができるのです。
ただ、もしうっかりスマートプラグをオフにしてしまうと大変です。コンセントをぶち抜くのと同じことですからいくら安定感の増した現代のPCといえどなにが起きるかわかりません。
もちろん、今回の方法でも誤って電源スイッチを押してしまう可能性はありますが、設定で電源スイッチを押したときの動作をスリープにしておけばデータが壊れるなんて自体にはならないのです。
まとめ「うまくいかないとき、どこが原因か」
WOLの一番の問題点は、なにが原因で動かないのか、それすら分からない点です。
MACアドレスなのか、BIOS設定なのか、ルーターなのか。
その点、今回の方法はそれぞれのポイントで簡単に動作確認が出来ます。少し手間はかかりますが、順を追っていけば必ず動作することは保証します( ̄ー ̄)b